UH03DT

UH03DT

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CablePrice(NZ)Limited

ニュージーランド

世界最南端にある日立建機代理店

ケーブルプライス社は、1951年(昭和36年)にA&G PriceとWilliamCable Ltdの2社が合併し誕生した。
その後1964年(昭和39年)、ケーブルプライス社がニュージーランドの日立建機と販売代理店契約を締結し、翌年初めて日立建機製油圧ショベルを販売。1996年(平成8年)、日立建機の100%子会社となった。現在、同社の従業員は380人を超え、ニュージーランドに15の支店を持っている。
日立建機は1965年(昭和40年)7月に土浦工場で日本初の純国産技術による油圧ショベルUH03を開発し、新境地を切り開いた。同機は油圧方式や2本のブームシリンダなどの特徴を備えており、今日の油圧ショベルの出発点とも言える。現在、ニュージーランドのウェリントンにあるケーブルプライス社本社の受付には、南島での長い役目を終えたUH03DTが1台輝かしく展示されている。

ケーブルプライス社本社受付に展示されているUH03DT

ケーブルプライス社本社受付に展示されているUH03DT

数多のオーナーに愛された名機

このUH03DTは、1974年(昭和49年)3月にケーブルプライス社によってニュージーランド南島の奥深くにある小さな町・マタウラのマーヴィンニュートン社へ販売された。同社は地元の食肉加工会社で、土木排水工事や臨時の作業を行う施工業者でもあった。その後同社は、UH03DTを当時18歳だったキース・ミュアー氏に売却。6年間農園のメンテナンスに使用され、稼働時間は10,000時間を超えた。
その後、数人のオーナーを経て、1988年(昭和63年)、稼働時間13,000時間を過ぎた後、南島の小さな町・モスバーン近くのウェストドームで畜産業を営むシドニー・テイラー氏によって購入された。テイラー氏はUH03DTを2,600エーカーの農場のメンテナンスに使用、またあるときは林業にも使用し、同機について「非常に優れた信頼性の高い機械で、バランスが良く安定していた」と語る。20年にわたる役目を果たした後、テイラー氏は同機をケーブルプライス社へ下取りに出し、日立建機の新しいモデルに入れ替えた。テイラー氏は、現在もUH083とZX240LC-5Bを所有する熱心な日立建機ファンだという。

マーヴィンニュートン社へ販売された当時のUH03DT

マーヴィンニュートン社へ販売された当時のUH03DT

思い出の地で、かつての姿に

世界最南端の日立建機の代理店、ケーブルプライス社インバーカーギル支店に戻ったUH03DTは、ウェリントンにあるケーブルプライス社本社に展示するために、改修の指示を受けるまで何年もの間保管された。
インバーカーギル支店のチームは6カ月にわたりUH03DTを全面改修。ボディパネルを修理し、オリジナルカラーの全塗装が施された。エンジンは全開まで吹き上がり、燃料やオイルの漏れも修復した。また、足回りにもオーバーホールが施され、キャブ内の機能も完全に作動することが確認された。
改修されたUH03DTは本社に輸送され、2012年(平成24年)の新本社グランドオープンの主役となった。以来、現在に至るまで8年間堂々と展示されている。ニュージーランドの多くの人たちは、このUH03DTが同国で働いていた姿を覚えているだろう。現在は第一線ではないものの、いまだに何台ものUH03が同国内で稼働している。

ウェストドームでは林業の現場でも活躍した

ウェストドームでは林業の現場でも活躍した

UH03DT

納入年 1965年(昭和40年)
号機 120
運転質量 9.4t
定格出力(PS/rpm) 58/1,800
バケット容量 0.35m3
特徴 UH03は、純国産技術で開発した初の油圧ショベルで1965年(昭和40年)に発売。当時主流であった1ポンプ・1バルブシステムから、2ポンプ・2バルブとしブーム合流回路を付加。ダンプ積みなどの作業性能を大幅に向上。また、2本のブームシリンダと「く」の字ブームを採用し、深掘り性能を高めた。UH03の構造は世界の油圧ショベルのデファクトスタンダードとなった。2018年(平成30年)に未来遺産として認定。
UH03DT

CablePrice(NZ)Limited

代表者 奥住 景亮
設立 1951年(昭和26年)
所在地 41-51 Bell Road South, Gracefield, P.O.Box 38-040, Wellington mail Centre, New Zealand
ホームページ https://www.cableprice.co.nz
ケーブルプライス社 本社外観

ケーブルプライス社 本社外観