ロテーター社が設立されたのは1961年(昭和36年)。その歴史は、1954年(昭和29年)に前身会社であるラッケンヌスコーネ社が創業したことから始まる。家族経営の同社は、37年にわたり日立建機製品の輸入販売とサービスを行ってきた。現在、全国8拠点に150名の従業員を抱え、その多くはアフターセールス部門で働いている。
ロテーター社のレンタル事業はロタレント社、ならびに同社の子会社であるロテーター・エエスティ社で行われている。ロテーター・エエスティ社は日立建機ヨーロッパ社のエストニアの正規代理店だ。
建設、砕石、鉱山分野において必要とされる日立建機製品に加え、高所作業車、クレーン、テレハンドラー、フォークリフト、コンパクトな破砕機と選別機、締固め機、路面清掃ロボットをフィンランド市場に供給している。
1983年(昭和58年)以来、Hitachiブランドを取り扱う企業として長い歴史を歩んできた同社は、フィンランド市場に輸入された最も古い日立の機械をいくつか展示し、その歴史を示したいと強く望んでいた。そこで、日立建機の代理店30周年を迎えるにあたり、自社が初めて販売した機械を探し出すことを決断した。
ロテーター社の最高経営責任者 ヤリ・ヴァルタネン氏
日立の油圧ショベルの国内1台目を探す中で、2台目の輸入機を発見。全面改修プロジェクトがスタートした。キャブにかなりの損傷があったが、その補修部品が手元に無かったため、技術チームは部品を広範囲に探した。
そして、6台目の輸入機を見つけることができ、必要な部品すべてを良好な状態で揃えることができた。すべての改修作業は、2012~2013年(平成24年〜25年)にかけてロテーター社の技術者により完了。完成したUH081は2台のマシンを組み合わせて復元されたもので、ほぼ100%オリジナルの状態である。
ロテーター社は、1983年(昭和58年)以降フィンランド国内において日立建機を象徴する企業であり続けたこと、そして日立の油圧ショベルが過去40年以上にわたってどのように発展してきたかを示したかった。もし、同社がこのタイミングで動いていなければ、改修できる可能性があった油圧ショベルはすべて失われていたであろう。同じ時代の古びた油圧ショベルは存在はしているが、このUH081はいまだに稼働することができる。改修プロジェクトの完了以来、同機はさまざまな展示会に出展されている。
UH081の改修チーム
製造年 | 1978年(昭和53年) |
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号機 | 18202 |
運転質量 | 18.5t |
定格出力(PS/rpm) | 105/1,750 |
バケット容量 | 0.8m3 |
特徴 | 1977年(昭和52年)に発売したUH07-3の輸出向けモデルで、現在の油圧ショベルの基本構造を取り入れた初のモデル。エンジンの大出力化、ポンプ定格圧力UP等で大作業量を達成。キャブの大型化や操作系へのアシストバルブ採用による操作力低減等の居住性を向上。 |
代理店契約年 | 1983年(昭和58年) |
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代表者 | ヤリ・ヴァルタネン |
設立 | 1961年(昭和36年) |
所在地 | Tuottotie 4, PL 10, 33961 Pirkkala, Finland |
ホームページ | https://www.rotator.fi |
ピルッカラのロテーター社本社前で行われた展示会の様子