「日立建機」は「信頼性」と同義 EX5500-5

「日立建機」は「信頼性」と同義 EX5500-5

建機を訪ねて LEGEND06

Stanwell Corporation Limited

高稼働率で築いた信頼。さらなる
ソリューションでお客さまの期待に応える。

80,000時間近い稼働でも高い稼働率を維持し続ける日立建機のマイニングショベル。機械の性能だけでなく、サービスの充実に努めた日立建機オーストラリアの長年の努力にも、お客さまの現場からの熱烈な支持があった。今回は2人のキーマンに話を伺った。

クイーンズランド州最大の発電会社

スタンウェル社は、オーストラリア・クイーンズランド州政府の直営企業。クイーンズランド州最大の電力会社であり、同州の発電事業資産を所有し運営している。同社は高い効率を誇る2か所の最新の石炭火力発電所(ロックハンプトンのスタンウェル発電所、サウスバーネットのタロン北発電所)を所有し、オーストラリア東海岸沿いの大規模な商業・工業顧客に直接電力を販売している。
スタンウェル社のグループ会社であるスタンウェルエナジー社は、グリーン電力(再生可能エネルギー)プロバイダとして認定されており、CO2排出の少ない再生可能エネルギーも含めて、お客さまに電力を供給している。

ミャンドゥ鉱山の歴史

1978年(昭和53年)、クイーンズランド州政府はタロン発電所の建設を決定し、ミャンドゥ鉱山での最初の作業が始まった。1984年(昭和59年)、ミャンドゥ鉱山は発電所への定期的な石炭供給を開始し、その後発電設備を増強するにつれて、徐々に供給を増やしてきた。2003年(平成15年)にタロン北発電所が建設されると、石炭供給量はさらに増加した。
同鉱山には現在4つの採掘場があり、スタンウェル社のタロン発電所を長期にわたって支える中心となっている。

タロン発電所

タロン発電所

はじまりはUH801

ミャンドゥ鉱山に初めて日立建機のマイニングショベルが導入されたのは1987年(昭和62年)で、UH801 バックホウフロント仕様(160トンクラス)が納入された。
同機が選ばれた背景には、クイーンズランド州中部にあるカラー鉱山に納入されていたローディングショベル仕様のUH801 3台が高い稼働率を維持し、好評価を得ていたことにある。
当時、表土剥ぎは大きなドラグラインを使用して掘削・放土し、油圧ショベルとダンプトラックの組み合わせで石炭の掘削・積み込みを行っていたが、そこでUH801が真価を発揮した。
その後、ミャンドゥ鉱山ではUH801の実績から、新シリーズEX3500の納入に繋がった。

EX5500-5と2人の男たち

生産量の拡大に伴い、その後納入されたEX5500-5は、現在80,000時間近く稼働している。同機も非常に高い稼働率を維持し、現場からの信頼も高く、ミャンドゥ鉱山で稼働するマイニングショベルの中で最長を誇る。ミャンドゥのチームは、過酷な状況でも性能をフルに発揮するEX5500-5に特別な愛着を持っているという。13年間にわたり使用されているにもかかわらず、今もなお最も信頼性の高いマシンのひとつなのだ。
現場マネージャ代理であるジェイコブ・オーベル氏は、2012年(平成24年)にミャンドゥ鉱山に入社し、以来EX5500-5とともに働きつづけている。マイニングエンジニアとしてのバックグラウンドを持ち、以前は穿孔・発破を行う会社で働き、その後シェールオイル会社に勤務した経験を持っている。ミャンドゥ鉱山でテクニカルマネージャとして働き始めて以来、環境マネージャ、そして現在の現場マネージャなど、さまざまな役割を担当してきた。
「ここで働き始めて以来、2つのマイニングショベル(EX8000-6とEX5500-5)、ダンプトラック(EH5000AC-3)、そして日立建機のグループ会社であるウェンコ社が提供する運行管理システムを導入するなど、多くの日立建機製品を取り扱ってきました。私は長年にわたり、日立建機とともに実に多くの経験を積んでいます」(ジェイコブ氏)。
EX5500-5は、非常に厳しい採掘現場でも耐久性のあるマイニングショベルとして定評がある。硬い表土を掘削する際に、大きな掘削力を発揮し、他の場所で計画通りに進まないときに、同機を使用することで作業量を挽回できた。
ジェイコブ氏は、これまでEX5500-5と苦労したことの中で印象に残る出来事について、こう回想した。「ドラグラインを使用している現場で、生産が停滞する事態が発生し、鉱山計画全体の遅延につながる問題に直面しました。現場のチームは当初、表土を除去するための別の機械を導入しましたが、非常に厳しい条件だったのでうまく進まず、EX5500-5を持ち込み掘削したことで、生産が遅れていたのを見事に挽回することができました」。
また、ジェイコブ氏が特に気に入っているのが、そのパワーだ。「このマイニングショベルは大きな掘削力のみならず、稼働時間が80,000時間近くに達しましたが、今でも高い稼働率を維持しています。オペレータは、常々“最高のマイニングショベル”と話していますよ。これは大変素晴らしいことです。このような現場からの信頼が得られていなければ、とっくの昔に入れ替えられていたことでしょう。EX5500-5を所有することは非常に喜ばしい経験です。私たちにとっては、いつまでも信頼できる機械です」(ジェイコブ氏)。
さらに、ミャンドゥ鉱山ではEX8000-6とEH5000AC-3を導入することによって、効率化を図ることができた。これまで1台のマイニングショベルに対し、ダンプトラック4台で運搬していたが、ダンプトラック3台で効率よく運搬できるようになり、大幅なコスト削減を実現できたという。

ジェイコブ・オーベル氏

ジェイコブ・オーベル氏

ジェイコブ氏は、ミャンドゥ鉱山と日立建機との関係を振り返り、その協力関係を誇りに思うと語る。「ミャンドゥ鉱山と日立建機との良い関係は、お互いにいつも意見を出し合い、有益な考えを導き出せることだと思う。現場のニーズをそれぞれの視点で見て、一緒に素晴らしい成果を上げることができました」(ジェイコブ氏)。
ミャンドゥ鉱山では、これまでもEX8000-6やオーストラリアに初上陸したEH5000AC-3を購入したという歴史がある。ジェイコブ氏は、この決断によりミャンドゥ鉱山の生産性が向上するとともに、機械は日立建機によって十分にサポートされているという。「マシンはいつも期待通りに働いてくれました。むしろ期待以上に働いてくれたと言えます。稼働率に関しては常に目標を上回っており、日立建機のマイニングショベルは、さらに目標を上回る稼働率を達成していて、非常に満足しています」。
そんなジェイコブ氏の側にはいつもマイニングアセットマネージャ、ジム・ヤング氏がいる。1978年(昭和53年)からこの現場で働き、日立建機と長年にわたる関係を築き、EX5500-5のパフォーマンスと日立建機の継続的なサポートに大きな感銘を受けたという。「日立建機から得たサービスとサポートは、ミャンドゥ鉱山の長期的な成功の重要な鍵となっています」(ジム氏)。
購入したマイニングショベルやダンプトラックは、10年以上にわたって確実に稼働させる必要があるため、継続的なサポートが不可欠だ。「現場での日立建機のサービスとサポートは、実に素晴らしいものです。一言で言えば、私にとっての“Hitachi”とはズバリ“信頼性”と同義ですね」(ジム氏)。

ジム・ヤング氏

ジム・ヤング氏

  • 出番の時を待つEX5500-5

    出番の時を待つEX5500-5

  • EH5000AC-3

    EH5000AC-3

お互いのさらなる進化に向けて

ミャンドゥ鉱山で稼働するEX5500-5は、生産性・耐久性・信頼性において高い実績を上げたマイニング機械の代表例である。
日立建機は、これまで培った信頼関係をベースに、現場の安全性や業務の効率性をさらに向上させるために、お客さまと連携し、日立建機が進める“Solution”を進化させていく必要がある。AHS開発への協力は、その好例である。

EX5500-5

納入年 2006年(平成18年)
号機 541
稼働時間 76,896Hrs
運転質量 518t
定格出力(PS/rpm) 1,320/1,800×2
バケット容量 29m3
特徴 EX5500-5は米国環境保護局排ガス規制適合エンジンをいち早く搭載したモデル。センシング機能を大幅に強化し、信頼性・整備性を向上。液体封入防振マウント付き新型キャブの搭載と監視カメラの設定により、居住性・耐久性・安全性を向上。
行き届いたメンテナンスで高い稼働率を維持するEX5500-5。

行き届いたメンテナンスで高い稼働率を維持するEX5500-5。

Stanwell Corporation Limited

日立建機のオーストラリアの代理店

1973年
(昭和48年)
アベイリングバーフォードオーストラリア
1979年
(昭和54年)
【日立建機オーストラリア事務所】
1981年
(昭和56年)
ドミノインダストリーズグループ
1988年
(昭和63年)
ブラックウッドホッジ(オーストラリア)
1999年
(平成11年)
丸紅建設・鉱山機械
1999年
(平成11年)
日立建機(オーストラリア)
ホームページ https://www.stanwell.com
ミャンドゥ鉱山のロケーションマップ

ミャンドゥ鉱山のロケーションマップ